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山の記録や日々の生活、考えていることなど。
by ogami_dori
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剱へ その3

剱へ その3_b0101334_1359453.jpg
この日、僕を除く4人のメンバーは源治郎尾根の登攀を目指す。一方、僕は今日中に下山しなければならないので、源治郎は諦めて(まる一日かかるため)一般ルートからの剱登頂を試みる。
3:45、暗い中を一人出発する。一般ルートの方向に目を向けると、すでにヘッデン(ヘッドランプ)の光がチラホラと見える。どうやら数パーティが行動を開始しているようだ。
僕もヘッデンの光を頼りに歩を進める。

一般ルートピストンにあたって、自分の中で「7:00登頂、9:00剱沢、12:00室堂」というコースタイムを想定していた。そして、7:00までに登頂できなければその時点で下山しようとも決めていた。
それは、剱沢から室堂までの下山、そして室堂から大町までの道のりを考えてのことだ。
(実は、先日結婚したばかりの義姉夫婦が、遠方から妻の実家を訪れており、そのために遅くとも20時までには帰りたいという気持ちがあったからなのだけど)
エアリアのコースタイムでは、剱沢~剱岳山頂まで約3時間。これは休憩を含まない行動時間だが、それよりは早く歩く自信はあるし、ザックには必要最低限のものは入っているけど、いつものことを考えればほとんど空身。余裕はたっぷりある。

いくつかの先行パーティを追い抜く際、「特攻隊が行くぞ~」なんて言われた。
…まあ、単独行だからなあ。〝あぶない登山者〟と見られても仕方がないか。
ちなみに、先行パーティのメンバーはほとんど中高年の男女混成。若い人がいないのは不思議だ。岩をやりに来たパーティには、若手もチラホラ見えたのだが。





ヘッデンをつけての単独行となると、日中よりも安全確保に配慮しなければならない。
今回あらためて気がついたのは、夜間の一人歩きはルートファインディングも難しくなるということだ。
剱岳の一般ルートは、基本的に岩だらけ。なので、岩をかじったlことの人なら、あらゆるところがルートに見えてしまう場合もある。
「この岩はホールドもしっかりしているなあ」なんて気持ちでちょっと攀じってみたけど、岩トレなぞやったことのない人(=かつての自分)がザイルなしで登るにしては、厳しいのではないか…。
そう考え直してクライムダウン、辺りを見回すと、案の定、足だけで登れるルートがあったりする。
剱岳の一般ルートは、最盛期の日中には登山道が〝渋滞〟することもあるというほどの人気ぶり。
周囲にパーティがいない状況だからこそ、こうしたミスも起こるし、それがまた山行の緊張感を高めもする。
剱へ その3_b0101334_13545456.jpg
一服剱を過ぎ、前剱に取りかかるころ、ようやく空が白けてきた。昨日よりは天候が安定していそうだ。1時間おきに源治郎パーティと無線交信する。
前剱のピーク(写真)を踏むと、辺りはガスで覆われている。風は少々あるが寒くはない。
ここまでおよそ1時間半。ほぼ予定通り。足取りも軽く、調子がいい。

前剱から剱までの道のりには、いくつか鎖場が出現する。有名なのは「カニのタテバイ・ヨコバイ」だが、トラバースを要する箇所にも鎖が張られている。
ザイルを使ったクライミングを始めた僕にとって、何の確保もないまま鎖場を通過することは「むしろ危ないんじゃないか?」と思わせる。
ザイルで繋がっていれば、最悪の場合、滑落しても確保される可能性は残されている。だが、鎖場で手を離してしまったら、そのまま谷底へ真っ逆さまだからだ。
というわけで、安全を期すために120cmのソウンスリングで簡易ハーネスを作成、さらにアルパイン用の自作ヌンチャク(クイックドロー)と安全環付カラビナを使って、自分の身体を鎖につなげて安全を確保する。
支点の通過は、フィックスロープの通過と同じ要領で、
①通常は二つのカラビナを鎖にかけておく。
剱へ その3_b0101334_13581089.jpg

②支点に到達したら、一つ目のカラビナを外し、支点の向こう側にかける。
剱へ その3_b0101334_13582487.jpg

③一つ目のカラビナをかけ直したら、二つ目のカラビナも支点の向こう側にかける。
剱へ その3_b0101334_13584125.jpg

こうすることで、一時たりとも自分の身体が鎖と離れないようにするわけだ。
確保なしで鎖場を通過するのと比べると、多少の時間はかかるが、安全性は高くなる。
他のメンバーがいない単独行の場合、ちょっとしたことでも労を惜しまず、より安全な方法を選択することが大切なのではないかと思う。
(なんでもないところでも気を抜かないことも重要)
剱へ その3_b0101334_145742.jpg

剱一般ルートの核心部である、カニのタテバイ・ヨコバイ(どちらが上りで下りなのか失念)を登りきり、さらに岩場を詰めるとようやくピークにたどり着いた。登頂は6:25。
山頂は晴れ渡っていて、素晴らしい眺望だ。雲海も美しい。源治郎パーティはどうなっているか。ぐっさんと無線で交信すると、支尾根を登っている最中とのこと。
山頂から源治郎尾根を窺うと、下がガスっていて支尾根までは見えない。(写真)

僕は、どうやら今日3人目の登頂者らしい。てっきり1人目かと思ったら、僕よりもずっと先を歩いていた人が2人いた(2人とも単独)。

山頂でちょっと休み、下山開始。そういえば、あすかさんとHさん(ハイジさん)も一般ルートを行くと言っていたけど、きっと下山路で出会えることだろう。
(3:45剱沢~5:10前剱~6:25剱岳山頂)
by ogami_dori | 2006-08-13 12:53 |
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